蒼の真実



俺の過去=バスケ編其の四=

僕の学校では冬休み、大阪へと遠征に行くこととなってました。
1年のときにもあったのですが、
僕は行くことは出来ませんでしたから、
今回が初めての大阪遠征でした。

大変情けない話ですが、
我が家はお世辞にも裕福とは言える家庭ではなく、
もちろんこの5万円も
かなりの痛手になったに違いありません。
僕はあらかじめ、
大阪遠征の内容を予期していたのかもしれません。
母には、
「家計が苦しいなら僕は行かなくていいよ」と何度も言っていました。
ですが母は決して楽ではない家計から5万円を出してくれました。

内容は散々でした。
遠征には5万円かかっていたのですが、
僕が試合に出ることが出来たのはたったの5分でした。
それでも得るものがあればよかったのですが、
当然O先生は僕には何一つ話し掛けずに終わりました。
何一つ得るものもなく帰宅した僕には、
母への罪悪感しかありませんでした。
「もう、辞めようか。続けても意味がない、
5万円、いやバスケで迷惑をかけたお金を全て働いて返そう。
それが僕に出来る最善だ」
冗談ではなく、そうとしか考えられないほど、
O先生が、そしてバスケが嫌いになりました。
大阪遠征は、僕をとどめの一歩手前まで追い込んでくれました。
最後の一突きは意外と、いえ、当然のようにすぐ訪れました。



大阪遠征の次の日、それは訪れました。
どうやら、
作戦盤(フォーメーションの確認に使うもの)がなくなったとのこと。
僕は試合中でしたが、部室や考えられる全ての場所を調べました。
結果は、どこにも見当たらず、なくなったということになるでしょう。
監督にその旨を伝えると、しょうがないから買ってこいとのことでした。

ですが、やはり買ったあと見つかってはお金の無駄なので、
最後の確認をしていました。
そこに、O先生は現れました。
そこでは僕に監督から何を言われたかを聞かれました。
僕は言われた通り、買いに行けと言われましたと答えると、
「無駄なことなんかしなくていいからすぐに買いに行け!」
と顔を真っ赤にして怒鳴られました。
見つからなかったから無駄だというのは分かっていますが、
何故そこまで言われるのか、
そして、分かっていることを
何よりO先生に言われたことが腹立たしく思えたのです。
その瞬間、僕の中の何かが音を立てて切れました。
恐らく、張りつめて張りつめて、
くたびれきっていた、そんな糸のようなものが。

切れた糸は不思議なほど耐えていたものだったのでしょう。
なぜ、あの言葉で糸が切れてしまったのかはよく分かりません。
ですが、やはり限界だったのでしょう。
「解ったよ、買いに行けばいいんだろ!」
僕はそう言い残し、その場から背を向けました。
肩に掛かっていたトレーナーを地面へ投げつけました。
その瞬間、O先生は激昂したのでしょう。
恐らく、僕の態度に。そして、僕の存在に。
「言いたいことがあるなら言え!
文句があるなら来いよ!かかってこいよ!」
この言葉に対して、一時的とは言え急に冷静になれました。
トレーナーを拾い上げ、一言こう言いました。
「自分に腹が立っているだけです」と。

半分本当で半分嘘でした。
こんな人間に
本気になってキレてしまった僕に腹が立ったのは事実でした。
反面、これ以上事を荒立てたくないと言う気持ちも
本心だったでしょう。

O先生は僕の返答に満足行かない様子で
何か僕に向けて叫んでいましたが、僕は聞き流して歩いていきました。

みんなが僕のところに来ました。
話を聞くと、1人O先生に蹴られたと聞きました。
途端、申し訳なさから、そして迷惑を掛けたことで涙が溢れました。
「もう責任を取って辞めるしかない」
そうとしか考えられなくなり、何人かに止められましたが、
監督のところへ僕は1人で行きました。
「このようなことがあったので、
今回の件全て責任を取って辞めさせてください」
監督は少し驚いた様子でしたが、審判の当番が入っていたので
「後で話をしよう」という話になりました。

試合が全て終わった後、僕は監督に呼ばれて話をしました。
監督は落ち着いてこう言いました。
「作戦盤をなくしたのはお前の責任だがお前の所為じゃないし、
誰もお前を責めてはいない。
確かにお前がO先生にそういう態度を
取ったことは褒められる事じゃない。
そういう点を踏まえて、
お前が責任を取って辞めると考えることも不思議じゃない。
だけど、この先の人生で壁にぶち当たることもあると思う。
その度に今みたいに責任を取って辞めても
お前は前に進むことは出来ないよ。
そういうのはバスケにも言い換えられるんじゃないのか?
ミスをしたらどこか他のところでミスを取り返そうとする、
それがバスケってものじゃないのか?
今までやってきたことはそういうことだろう?
俺が言ったことを考えて、もう1日よく考えて見ろ。」

監督はお世辞にも上手くない、
そしてチームの足を引っ張ってしまった僕に対して
優しい言葉をかけてくれました。
僕はこの監督の下でバスケが出来ると言うことが
いかに幸せなことなんだと再認識出来ました。
僕ら控えのことも見てくれている、
そう思うことで心が楽になりました。

その後の控えのミーティングでO先生は僕の取った行動を
「逃げ」と言いましたが心には何一つ印象として残りませんでした。
それはきっと、
言われた言葉の意味が理解出来なかったこともあるでしょうが、
最初からO先生の話を聞く気がなかったことと、
監督から言われた言葉が
いかに僕にとって支えになっていたかということを
示していたように思います。

監督から言われた言葉のお陰でしばらくは頑張ることが出来ました。
ですが、チーム状況は最悪でした。
結局O先生の俺に対する態度は何一つ変わりませんでした。
チームのため、と思って僕がした行動もやはり気に入らないのでしょう。
行動もですが僕の存在を否定したかったのでしょう。
それが如実に現れたある出来事が起きました。
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by endlessdream0814 | 2004-12-30 22:44 | 思ったこと
<< 明けまして゜☆。・:*:・゜★... 俺の過去=バスケ編其の参= >>


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